sanatio-staff blog

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天切り 松闇がたり

普段は新書の類が多いのですが、久しぶりに面白い小説を読んでいます。

日本の文壇第一のストーリーテラー(と勝手に思っている)
浅田次郎氏の「天切り松 闇がたり 第五巻 ライムライト」


51bFEg7ReFL.jpg
(Amazonより)


数年ぶりに文庫版が発売されたので、早速買ってきました。
第一巻からずっと読み続けておりますが、まったくそのテンションは変わりません。

御存じない方に少し補足しますと、どのストーリーとも
大正・昭和と生き抜いた大泥棒の村田松蔵、人呼んで「天切り松」が、
六尺四方しか届かない夜盗だけが使える「闇語り」で昔噺を聴かせる、という形をとっています。

そして本当にあったことのように、各時代を背景に、
実在の人物と架空のキャラクターが織りなす人情の機微を含んだ深いストーリーを楽しめます。


私は歴史が好きで、特に世界史でいえば
列強が帝国主義に走り現在の混乱のもとを作った、20世紀初頭第一次世界大戦前後の東西欧州、
清国滅亡と中華民国成立、ロシア帝国崩壊、ナチス台頭の時代、
日本では日清・日露戦争、大正、昭和初期の繁栄と恐慌、
軍部の暴走、満州帝国設立、韓国併合などの歴史の資料を読んで来ました。

また「怪人二十面相」や「シャーロックホームズ」「明智小五郎」「少年探偵団」
といったこの時代を背景にした推理小説や怪盗物も好きだったので、
「天切り」や「闇語り」といった言葉に興味を持って読み始めたのですが、とにかく面白い。

ストーリー構成が巧みな上に、主人公たち盗賊一味の使う言葉が、
いなせで粋で、すばらしいリズム感があり、言葉の躍動を感じることが出来ます。

そしてその生き様が、浅田次郎氏の創作とはいえ、とにかく格好良く、
よくこれだけキャラクターを作り込めるものと感嘆してしまいます。

膨大な資料を調査し、吟味して咀嚼し、その中に物語を落とし込んでいかれるのでしょうが、
読んでいて歴史の考証が正確なのにも驚きます。

これまで読んできた歴史上の断片的な知識が
作者のストーリーの中で繋がっていくことが快感にさえ思います。


浅田次郎氏の作品は他にも
「蒼穹の昴」「シェラザード」「霞町物語」「鉄道員」「地下鉄に乗って」「日輪の遺産」など
長編短編ともに深い人情の機微を織り込んだストーリーを特徴とし、
読み始めると引きこまれ、つい電車を乗り越してしまうことも何度かありました。

映画になっているものもあり、まだ御存じでない方は
是非一度、浅田ワールドを味わってみられては如何でしょうか。


【writer:Doctor - Y 】
【検索タグ:雑学】

テーマ:最近読んだ本 - ジャンル:本・雑誌

  1. 2016/09/16(金) 09:00:00|
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